同窓会の皆様には各分野でご活躍のことと存じます。物理学コースの近況についてご報告いたします。理学部で2019年度に新カリキュラムが導入されて、当初はいくらかの戸惑いもあったものの6年が経過し、すっかり定着してきた感があります。一方、大学院も2023年度に改組がなされ、今年度が2年目ですので、新カリキュラムでの修了生が近々巣立つことになっています。
さて、現時点での物理学分野の構成員ですが、理論物理学分野として渕崎員弘(非平衡統計基礎論)、中村正明(物性理論・統計基礎論)、飯塚剛(非線形物理学)、宮田竜彦(統計力学・溶液論)、実験物理学分野として前原常弘(プラズマ理工学)、小西健介(磁性・低温物理学)、近藤久雄(光物性物理学)、天文学分野として粟木久光・寺島雄一・志達めぐみ(X線天文学)、長尾透・鍛冶澤賢・松岡良樹(光赤外線天文学)、清水徹(太陽系プラズマ物理学)、近藤光志(超高層物理学)が在籍し、教育研究活動を行っております。宗博人教授(素粒子論)の退職の後は補充がなく、分野の消滅・人員の減少の両面から苦しい教育活動を強いられています。その一方で、宮田講師が准教授に、鍛冶澤准教授が教授にそれぞれ昇進され、体制の強化がなされています。また、志達めぐみ准教授が優れた研究業績を上げ、「令和 6年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞」を受賞したという明るいニュースもあります。なお、活動内容に関しては理学部で正式採用しております、researchmap (https://researchmap.jp/researchers)からたどっていただければお分かりになられるかと思います。
2020年以降四苦八苦させられたコロナ対応ですが、すっかり通常モードに切り替わり、現在では何事もなかったかのように学内の教育・研究活動が進められています。まあ、集団で免疫が下がったらしく、冬になるとインフルエンザで研究室が全滅ということも有りますが、普通に過ごせるありがたさをかみしめています。一方、遠隔でのコミュニケーションツールの良さもコロナ禍で認識され、必要な場合はZoomなどを用いて研究室の打ち合わせが行えるなど、良いとこ取りができている感じです。
教育・研究と同様、コロナ禍で一時期混乱した就活市場ですが、売り手市場が過熱し、企業の採用担当が日参してくるようになっています。就職氷河期に卒業した方々からすると夢のような状況になっています。しかし、物理の中には就職も進学もしない学生が少なからずおり、何とかならないものか?と心を痛めています。
こうした状況下、卒業生の皆様におかれましても,一層のご支援・ご協力を賜れば幸いです。末筆ながら,皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。
(前原 記 )